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オンライン秘書がAIで業務マニュアルを作る手順|引き継げる手順書の型と確認

オンライン秘書がAIで業務マニュアルを作るときは、画面操作のメモや依頼主との会話記録を材料にしてAIに手順書の下書きを作らせ、実際の操作と照らして直し、依頼主に確認してもらう、という流れで進めます。AIが得意なのは、散らばったメモを手順の順番に並べ替え、抜けやすい項目の見出しを用意するところまでです。実際にその手順で動くか、権限や例外の扱いが依頼主の方針と合っているかは、人が確かめる部分として残ります。

仮の例を挙げます。依頼主から「請求書の発行を任せたいので、引き継げる手順書を作ってほしい」と頼まれたとします。秘書は、自分が操作した画面のメモと、依頼主との会話記録を用意し、顧客名や口座情報を置き換えたうえで、AIに「目的・前提・権限・手順・判断の分かれ目・例外・確認者・更新日」の8項目に沿った下書きを作らせます。出てきた下書きを自分で実際に操作しながら読み合わせ、依頼主が確認して初めて、手順書として使い始めます。

この記事では、材料の集め方、AIに渡さない情報の線引き、公式ヘルプと個人情報保護委員会の資料で確認できる範囲のデータの扱い、手順書の型、指示文の組み立て、確認と版管理、仮の完成手順書までを順に説明します。特定のAIツールの優劣、収入、作業時間の短縮率には触れません。

目次

AIで業務マニュアルを作る仕事の全体像と扱う範囲

業務マニュアル作成とは、依頼主の業務を第三者が同じ結果で再現できるように文章へ落とす仕事です。AIは下書きの整理役で、内容の正しさと使ってよいかの判断は人と依頼主が持ちます。

オンライン秘書にとって手順書は、仕事を引き継ぐための書類であり、同時に自分の仕事を説明する成果物でもあります。依頼主が入院や出張で席を外したとき、別の秘書や本人が手順書だけを見て同じ作業を進められる状態を目指します。そのため、書かれている内容は自分だけが分かる略語や、画面を見ながらでないと意味が通らない指示に頼らない形にします。

AIを使う利点は、メモの書き方が粗くても、手順の順序や見出しの形をそろえて整理してくれる点にあります。一方で、AIはメモに書かれていない操作を補って書いてしまうことがあります。個人情報保護委員会の注意喚起でも、生成AIの応答には不正確な内容が含まれることがあると述べられています。詳しくは後の節で扱いますが、手順書の場合は「書いてある操作が実際に存在するか」を人が一つずつ確かめる工程が欠かせません。

扱う範囲も最初に分けておきます。この記事が対象にするのは、請求書の発行、日程調整、問い合わせの一次返信のように、繰り返し行う事務の手順です。契約の締結や支払いの承認のように、判断そのものが依頼主の責任になる業務は、手順書には「ここで依頼主に確認する」という地点だけを書き、判断の中身は書き込みません。業務ごとの切り分けはAIオンライン秘書の仕事内容と最初に選ぶ一業務を整理した記事でも説明しています。

手順書が必要になる場面と依頼主が期待すること

手順書が必要になるのは、担当が替わるとき、依頼主が自分で作業を確認したいとき、同じ業務を複数人で回すときです。依頼主が期待するのは、読めば同じ結果になることと、迷ったときの連絡先が分かることです。

依頼主の立場で考えると、手順書に求めることは三つに整理できます。一つ目は再現性です。担当者が替わっても、請求書の書式や送付先が変わらないことが重要になります。二つ目は透明性です。秘書がどの画面にどの権限で入り、何を見たのかが分かれば、依頼主は安心して任せられます。三つ目は連絡の起点です。判断に迷ったときに誰へ何を聞けばよいかが書かれていれば、作業が止まりません。

この三つを満たす手順書は、秘書の側にもよい効果があります。作業の範囲と責任の境目が文章で残るため、後から「そこまで頼んだつもりはなかった」という食い違いが起きにくくなります。業務を受ける前に決めておく取り決めの項目は、AI事務の副業を受ける前に依頼主と決める取り決めをまとめた記事にあります。手順書はその取り決めの実務版にあたると考えると、書く内容を決めやすくなります。

次の表は、場面ごとに手順書へ多く書く項目を整理したものです。場面によって、重く書く項目が変わります。

場面 読む人 特に厚く書く項目
担当を別の秘書へ引き継ぐ 初めてその業務に触れる人 前提、権限、手順
依頼主が作業内容を確認する 業務の全体を知っている人 判断の分かれ目、確認者
例外が起きたときに見直す 担当した本人と依頼主 例外、更新日

材料を集める:画面操作メモ・会話記録・既存資料

材料とは、手順書の元になる素の記録です。画面操作のメモ、依頼主との会話の記録、既存の資料の三種類を、AIに渡す前に整理して残します。

手順書の質は、材料の質でほぼ決まります。画面操作のメモは、操作した順に「どの画面で、何をクリックし、何を入力したか」を短く書いておきます。きれいに書く必要はありませんが、画面の名前やボタンの表示は、画面に出ている表記のとおりに書きます。後でAIが言い換えてしまうと、読む人が画面上でボタンを見つけられなくなるからです。

会話記録は、依頼主とのチャットやメールのやり取りから、判断の基準が書かれている部分だけを抜き出します。「この金額以上は事前に連絡してほしい」「急ぎの場合は電話ではなくチャットで」といった発言は、手順の「判断の分かれ目」に直結します。会話そのものを全部貼るのではなく、基準になった文を取り出して、日付と一緒に書き留めます。

既存資料は、依頼主がすでに持っている旧マニュアルや、取引先の案内などです。古い資料は現状と食い違っていることがあるため、実際の操作で確かめる前提で扱います。材料は次の表のように整理しておくと、AIへの指示文にも使い回せます。

材料の種類 書き留める内容 AIに渡す前の処理
画面操作メモ 画面名、押したボタン、入力した項目の名前 顧客名や金額を仮の値へ置き換える
会話記録 判断の基準になった発言と日付 個人名と連絡先を役割名へ置き換える
既存資料 旧マニュアルの該当箇所 古い情報を示す日付を残す

リサーチ業務のように、材料の出典を明記する必要がある仕事の場合は、出典付きの資料の作り方と生成AIの確認手順の記事の考え方を、手順書の「参照資料」欄に応用できます。

AIに渡す情報と渡さない情報の分け方

渡さない情報とは、パスワード、認証コード、口座番号、顧客の個人情報など、AIの入力欄に入れてはいけないと依頼主と決めた情報です。手順書にはこれらの値を書かず、置き場所と取得方法だけを書きます。

手順書づくりで最も気をつけたいのは、実際の値を材料に混ぜたままAIへ貼り付けてしまうことです。ログインに使うパスワードや、請求先の口座番号は、手順書そのものにも書きません。手順書に書くのは「パスワードは依頼主が指定した管理ツールから取り出す」「口座情報は依頼主の承認済みのひな形を使う」のように、値ではなく入手の経路です。

顧客の氏名や連絡先も同じです。手順の説明に必要なのは、顧客が「個人の顧客」なのか「法人の顧客」なのかという区別であり、具体的な名前ではありません。AIへ渡す前に、名前を「顧客A」、金額を「仮の金額」のように置き換えます。次の表は、置き換えの考え方の例です。

情報の種類 AIへの扱い 手順書での書き方
パスワード・認証コード 渡さない 取り出す場所の名前だけを書く
口座番号・カード番号 渡さない 承認済みのひな形の名前だけを書く
顧客の氏名・連絡先 役割名へ置き換えて渡す 「顧客」「担当者」のように役割で書く
金額・日付 仮の値へ置き換えて渡す 確認する場所と照合先を書く
画面名・ボタン名 そのまま渡す 画面の表記のとおりに書く

この線引きは、依頼主ごとに変わります。どの情報をAIに入れてよいかは、作業を始める前に文章で確認しておきます。メール返信の下書きを作る場面での同じ考え方は、AIでメール返信文の案を作る手順を説明した記事にあります。

AIツールのデータの扱いを公式ヘルプで確認する

データの扱いの確認とは、使うAIツールの公式ヘルプで、入力した内容が保存されるか、人の目に触れる可能性があるか、モデルの改善に使われるかを、利用前に読むことです。

AIツールによって、入力した内容の扱いは異なります。2026年10月12日に確認した範囲で、二つの例を挙げます。GoogleのGeminiアプリのヘルプでは、回答の質などを評価するために、一部のチャットを人間のレビュー担当者が確認することがあると説明されています。あわせて、レビュー担当者に見られたくない機密情報は入力しないよう求められています。内容はGeminiアプリのプライバシーに関するヘルプで読めます。

Anthropicの個人向けClaudeについては、チャットがモデル改善に使われる場合として、設定で利用を許可したとき、安全性の確認の対象になったとき、テスター向けの取り組みなどに明示的に参加したときが挙げられています。また、回答の評価を送ると関連する会話全体が保存されることも書かれています。詳細はClaudeのモデル学習に関するプライバシーのヘルプにあります。

これらは確認日時点の内容であり、設定名や条件は変わることがあります。そのため、手順書づくりで使うツールを決めたら、その時点の公式ヘルプを自分で読み、確認日を記録しておきます。無料の個人向けプランと業務向けのプランでは扱いが違う場合があるので、依頼主が契約しているプランに合った説明を読みます。ツールの設定や確認の流れの一例は、Claude Sonnet 5.5を秘書業務で使う前の設定と確認手順の記事で説明しています。

個人情報を含む材料を扱うときの法律上の見方

個人情報保護委員会は、生成AIサービスに個人情報を含む入力をする場合の注意点を公表しています。事業者の場合は、利用目的の範囲内か、サービス提供側が入力内容を機械学習に使わないかの確認が求められます。

個人情報保護委員会は、令和5年6月2日付の「生成AIサービスの利用に関する注意喚起等」で、個人情報取扱事業者向けの注意点を示しています。個人情報を含む入力をする場合は、特定された利用目的を達成するために必要な範囲内であることを十分に確認すること、そして、本人の同意なく個人データを入力して応答の出力以外の目的で取り扱われると、個人情報保護法に違反する可能性があるため、サービス提供事業者が入力内容を機械学習に使わないことなどを十分に確認すること、とされています。原文は個人情報保護委員会の注意喚起等(PDF)で確認できます。

同じ文書は、一般の利用者向けにも留意点を挙げています。入力された個人情報が機械学習の対象になる場合があり、他の情報と結びついて出力されるリスクがあること、応答には不正確な内容が含まれることがあることです。ここからも、材料に個人情報を入れないという線引きが合理的だと分かります。

依頼主が個人情報取扱事業者にあたるかどうか、また秘書が受託者としてどのように扱われるかは、事業の形や契約によって異なります。秘書が自分で判断する事項ではないため、疑問があれば依頼主や専門家に確認します。秘書の側でできるのは、不要な個人情報をAIに入力しないこと、依頼主が認めたツールだけを使うこと、そして入力してよい範囲を手順書の「前提」欄に書いておくことです。

引き継げる手順書の型:8つの項目

手順書の型とは、どの業務でも同じ順で書く項目の並びです。この記事では「目的・前提・権限・手順・判断の分かれ目・例外・確認者・更新日」の8項目を使います。

型をそろえる最大の利点は、読む人が探したい情報の場所を覚えられることです。業務が変わっても項目の並びが同じなら、依頼主は確認の観点を使い回せます。AIに下書きを頼むときも、この8項目を指示に含めれば、出力の形がそろいます。

項目 書く内容 書かないこと
目的 その業務が何のためにあるか、完成の状態 手順の細部
前提 使うツール、事前に必要な準備、入力してよい情報の範囲 個人情報の実値
権限 どの画面に入れるか、何を操作してよいか パスワードそのもの
手順 操作を順番に、画面名とボタン名で書く 判断が要る場面の結論
判断の分かれ目 どの条件でどちらへ進むか、依頼主へ確認する地点 秘書の推測
例外 想定外が起きたときの対応と連絡先 起きていない例外の想像
確認者 誰がいつ内容を確かめたか 確認していない人の名前
更新日 最後に実際の操作で確かめた日と変更の理由 日付のない更新

表の8項目のうち、慣れない人が書き落としやすいのは「権限」と「例外」です。権限は、操作できる範囲を書くことで、秘書が越えてはいけない線を依頼主と共有する役割を持ちます。例外は、最初は空欄でも構いません。実際に問題が起きるたびに追記していく項目として扱います。

AIへの指示文の組み立てと仮の例

指示文は、役割、材料、出力の型、禁止事項の4つの部分で組み立てます。型を8項目で指定し、材料にないことは書かないよう伝えると、補い書きが減ります。

指示文は、AIに任せる範囲を限定するための文章です。「手順書を作って」とだけ頼むと、AIは一般的な業務の流れで空白を埋めてしまいます。材料に書かれていない操作は書かず、不明な点は推測で埋めず「材料に記載なし」と書いて質問として残すよう、はっきり指定します。

次は仮の例です。実在の依頼主や顧客は含みません。

指示文の部分 仮の例
役割 あなたは事務手順書の下書きを整理する補助者です。
材料 以下の画面操作メモと会話記録の抜粋だけを根拠にしてください。
出力の型 目的、前提、権限、手順、判断の分かれ目、例外、確認者、更新日の順に書いてください。
禁止事項 材料にない操作や数値は書かず、不明な点は「材料に記載なし」と書いて質問として別にまとめてください。

この4つを一つの指示にまとめ、材料を続けて貼ります。出力された下書きのうち、「材料に記載なし」と書かれた箇所は、自分で操作して確かめるか、依頼主へ質問するかのどちらかで埋めます。AIが空白を自分で埋めずに残してくれるので、人が確かめるべき場所が見つけやすくなります。

生成された手順書を実際の操作と読み合わせる

読み合わせとは、AIが作った手順書を、実際の画面を操作しながら一行ずつ照らし、書いてある操作と画面の表示が一致するかを確かめる作業です。

AIの下書きは、読んだだけでは正しく見えます。文章が自然で、手順の流れも整っているからです。そのため、確認は「読む」ではなく「動かす」で行います。手順書を開いたまま、実際の画面で同じ操作を順にたどり、画面名やボタンの表示が書かれたとおりか、入力欄の名前が合っているかを一つずつ照合します。

確認で見つかりやすいのは、次のような食い違いです。ボタンの名前が実際と違う、画面の遷移の順序が逆になっている、入力が必須の項目が抜けている、といったものです。見つけたら、その場で手順書を直し、直した理由をメモに残します。直した理由は、後で更新日の欄に書く変更の理由になります。

読み合わせは、手順書を作った本人だけでなく、別の人に頼めるならなお効果的です。作った本人は、書かれていない部分を頭の中で補ってしまうためです。依頼主に確認してもらう前に、可能であれば業務に慣れていない人に手順書だけを見て操作してもらい、つまずいた箇所を直します。

仮の完成手順書:請求書の発行

仮の完成手順書とは、8項目をすべて埋めた架空の見本です。実在の依頼主や顧客、金額とは関係なく、書き方の流れを確認するために使います。

以下はすべて仮の例です。依頼主を「仮の依頼主」、顧客を「顧客A」とし、日付も説明用に置いたものです。請求書の事務全体の進め方は、AIで請求書や経費精算の事務を進める手順を説明した記事も参考になります。

項目 仮の記載内容
目的 仮の依頼主が顧客Aへ送る請求書を、依頼主の確認を経て送付できる状態にする。
前提 請求書作成ツールの承認済みひな形を使う。顧客の実名と金額は手順書に書かず、依頼主の台帳を見る。AIに入力してよいのは、仮の値へ置き換えた文面だけ。
権限 請求書作成ツールで下書きを作成する権限まで。送付ボタンの操作は依頼主が行う。
手順 依頼主の台帳で対象の案件を開く。ひな形を複製する。台帳の金額と品目を転記する。下書きを保存し、確認依頼を依頼主へ送る。
判断の分かれ目 台帳の金額と見積書の金額が違う場合は、転記を止めて依頼主へ質問する。
例外 ひな形が見つからない場合は、作成を止めて依頼主へ連絡する。別の書式で代用しない。
確認者 仮の依頼主。確認日は送付前に記録する。
更新日 2026年10月12日(仮)。実際の画面で操作を確かめた日を書く。

この見本で注目したいのは、実値が一つも書かれていない点です。金額や顧客名は台帳にあり、手順書は台帳の参照先と照合の手順だけを持ちます。台帳が更新されても、手順書を書き直す必要がありません。また、権限の欄で「送付は依頼主が行う」と明記することで、秘書が判断を超えた操作をしない線が文章に残ります。

依頼主の確認と版の管理

版の管理とは、手順書がいつ、誰の確認で、どう変わったかを残す運用です。確認済みの版と編集途中の版を分け、依頼主が確認した版だけを現行として扱います。

手順書は、一度作って終わりではありません。業務のツールや依頼主の方針が変わると、内容が古くなります。古い手順書が現行として使われ続けるのが、最も避けたい状態です。そこで、手順書には確認済みの版と編集途中の版を分けて保存します。依頼主が確認した版には、確認者と確認日を書き、編集途中の版には、その旨が分かる名前を付けます。

依頼主に確認を頼むときは、全文を読んでもらうのではなく、確認してほしい地点を絞って伝えます。たとえば、判断の分かれ目の条件が依頼主の方針と合っているか、権限の範囲が過不足ないか、の二点を質問の形で示します。AIが作った部分と、自分で修正した部分を区別して伝えると、依頼主も確認の優先順位を付けやすくなります。

更新のきっかけは、画面の仕様が変わったとき、例外が起きたとき、依頼主の方針が変わったときです。きっかけが起きたら、変更箇所だけを直し、更新日と変更の理由を書き足します。変更履歴は、手順書の末尾に短く積み上げていきます。履歴が残っていれば、問題が起きたときにどの版が使われていたかを後から確かめられます。業務の外注や副業としての取り決めの全体像は、受託実務と仕事の進め方のカテゴリにまとめています。

業務別に手順書を作るときの観点

業務別の観点とは、同じ8項目の型でも、業務の性質によって厚く書く場所が変わるという考え方です。業務ごとに、判断の分かれ目と例外の中身を見直します。

請求書のように金額が動く業務では、判断の分かれ目に「金額が食い違ったときは止める」という地点を置きます。日程調整のように相手がいる業務では、候補日の出し方と、相手の返信が想定と違った場合の戻し方が中心になります。日程調整の実務はAIで候補日を作る手順と依頼主との確認ルールの記事で扱っています。

問い合わせの一次返信では、返信してよい範囲と、依頼主へ引き継ぐ範囲の境目が最も重要になります。返信の文面の型はメール返信文の案の作り方の記事の考え方を、手順書の「手順」欄に取り込めます。次の表は、業務ごとの観点の整理です。

業務 判断の分かれ目の例 例外の例
請求書の発行 台帳と見積書の金額が違う 承認済みのひな形が見つからない
日程調整 相手が候補日以外を希望した 依頼主の予定表に更新漏れがある
問い合わせの一次返信 返信してよい範囲を超える内容 返信先の情報が欠けている

はじめて手順書を作る人は、実績のない状態でも示せる成果物として、仮の例で作った手順書を使うこともできます。業務サンプルの作り方と見せ方は、未経験から業務サンプルを作る方法の記事が参考になります。LINEの運用など、画面操作の手順が多い業務の始め方は、LINE運用代行の始め方の記事も合わせて読むと、手順書に何を書くかのヒントになります。

よくある質問(FAQ)

Q1. 手順書の元になる材料は、どのくらい細かく書き留めればよいですか。
初めて読む人が同じ画面にたどり着ける粒度が目安です。画面名とボタン名を、画面の表記のとおりに書き留めておけば足ります。きれいな文章にする必要はなく、整える作業はAIに任せられます。
Q2. AIが手順を勝手に補ってしまったときは、どう見分けますか。
指示文で材料にない操作を書かせない設定にしたうえで、出力された手順を実際の画面で一つずつ動かします。操作の対応が材料に見当たらない行は、補い書きの疑いがあるため、材料に戻って根拠を探します。
Q3. 依頼主が使用を認めていないAIツールで、手順書の下書きを作ってもよいですか。
認められていないツールは使いません。依頼主がどのツールを認めているかは、作業を始める前に文章で確認しておきます。認めたツールが無い場合は、AIを使わず手書きの整理から始める選択もあります。
Q4. 手順書にスクリーンショットを入れてもよいですか。
入れてよいかは、画面に映る情報によります。顧客名や金額、メールアドレスが映る画像は、そのままAIにも手順書にも載せません。映り込みを隠すか、画面名とボタンの位置を文章で説明する形にします。
Q5. 手順書は誰が最終的に責任を持つのですか。
内容が現行の方針と合っているかの最終確認は、依頼主の役割として手順書の確認者の欄に残します。秘書は、実際の操作で確かめた範囲と、まだ確かめていない範囲を区別して依頼主に伝える責任を持ちます。
Q6. 古くなった手順書は、削除してよいですか。
削除せず、旧版として保存します。過去の作業がどの手順で行われたかを後から確かめられるからです。現行の版と間違えないように、旧版であることが分かる名前を付けておきます。

まとめ:AIは下書きの整理役、確認と責任は人に置く

オンライン秘書がAIで業務マニュアルを作る手順は、材料を集めて個人情報を置き換え、8項目の型でAIに下書きを作らせ、実際の操作と照らして直し、依頼主に確認してもらい、版を管理する、という流れです。AIは、散らばった材料を型に沿って整える役割に向いています。操作が実在するかの確認と、方針に合っているかの判断は、人に残します。

入力してよい情報の範囲は、AIツールの公式ヘルプと個人情報保護委員会の注意喚起を読んだうえで、依頼主と先に決めます。手順書に実値を書かず、置き場所と取得の経路だけを書く運用にしておけば、情報の扱いも、更新の手間も小さくなります。まずは請求書の発行のような一つの業務を選び、仮の値で8項目を埋めるところから始めてみてください。

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